セッション
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新しい広場をつくる 平田 オリザ 氏
1. 主催者あいさつ
本日のゲストは、みなさんもよくご存知の劇作家であり演出家の平田オリザさんです。新作のアンドロイド版「変身」は、本物のロボットが登場するのですよね。原作はフランツ・カフカ、ロボットには大阪大学大学院の専門家チームが関わっておられます。主役はフランスの女優、イレーヌ・ジャコブさんです。 この「変身」は、世界で最初に城崎で上演され、世界中を巡回していくとのことです。私も観劇の日を楽しみにしている一人です。主演のイレーヌさんはいま城崎国際アートセンターに滞在されながら、毎日お稽古をなさっています(実は、本日のセッションに、イレーヌさんのご家族がお見えになるかも、ということで調整していたのですが、さすがに初演間近で、それどころじゃないってことで、実現なりませんでした)。但馬・豊岡に、海外からも素晴らしいアーティストが滞在され、世界に向けて文化が発信されていく場所があることを、私たちは本当にうれしく思っています。平田さんは、城崎国際アートセンターの立ち上げから、アドバイザーとして何度も豊岡にはお越しになっていますので、豊岡のこともとてもよくご存知です。 さて、オリザさんには、演劇のお話もお聞きしたいし、16歳で世界を自転車で旅されたこともお聞きしたい(平田さんのこんな華奢なお体のどこにそんなパワーがあるんだろう!って本当にびっくりする思いです)のですが、あえて、今回は、「新しい広場をつくる」ということをテーマにお話してほしいとリクエストさせていただきました。 平田さんの著書『新しい広場をつくる』。この本を読んで私は非常に感銘しました。共感するところだらけだったんです、見てください、大量にはりつけたこの付箋を(笑)。新しい広場とはなにか。常に世界に開かれているとはどういうことなのか。「広場」について平田さんからお話をお聞きすることで、日本の、世界の地方都市・但馬に暮らす私たちは、大きなヒントを得ることができるのではないか、と思っています。 それでは平田さんにお話いただきましょう。(拍手) → 次のページ「2. 宮沢賢治の農民芸術論から話をはじめよう」
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