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豊岡でエコファームを営む人々  成田市雄・青山直也 氏
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平成17年の試験放鳥開始から12年。肉食の鳥、コウノトリの野生復帰はコウノトリの餌となる多様な生き物を育む農業に支えられています。最初期からコウノトリ育む農法を実践している成田市雄さんと、成田さんら先達のアドバイスを受け美味しいお米づくりに邁進している神鍋の若手農業家、青山直也さんのお2人にお話を伺いました。

成田市雄さん

父の後を継ぎ、豊岡市森津で農業を営んでいます。自所有地8反と、借地12haを耕作しています。平成13年、これからは有機の時代だと思い北但大規模稲作研究会を立ち上げ、平成15年にエコファーマーを申請しました。

コウノトリが絶滅した大きな原因は、営巣木の減少、農薬の散布、水田の乾田化、つまりは農業の近代化や環境の悪化が原因と教えてもらいました。こう聞くといかにも農家に責任があるように聞こえますが、本当に農家の責任なのでしょうか。誰が農薬を作り、農薬を使えと言ったのでしょう。農家が好き好んで使ったわけではありません。

農家が正しく農薬を散布したとしても、食物連鎖と生物濃縮によって野生動物に影響します。人類は食物連鎖の頂点にいるので、8万倍以上に濃縮されたものを口にすることになります。仕事は世の為人の為にするものなのに農薬を使うことで孫子の代にまで害を及ぼすのです。これは絶対ダメだ。農薬を使わない米作りをしようと決心しました。種子の温湯消毒、田んぼの生き物調査、有機育苗培土の試験、不耕起栽培など、様々な試行錯誤をしてきました。

有志5人で始めた豊岡エコファーマーズで、食味を重視した栽培方法の検討から先進地の視察や研修などに取り組みました。秋にコウノトリが試験放鳥された平成17年には、無農薬タイプに続いて減農薬タイプの実証も行いました。24成分の農薬を半分未満にすると、「特別栽培米」と表示することができます。

「農薬」と呼ばれるものには、殺菌剤、殺虫剤、除草剤がありますが、このうち一番毒になるのが殺虫剤だと思います。害虫は虫全体のわずか数パーセントしかいません。自然界は小さいものが大きいものに食べられる原理原則がありますが、殺虫剤を使うと、害虫を食べてくれるはずの虫も死んでしまいます。

病気の勉強もしてきました。稲作で怖いのはいもち病ですが、薄植え(疎植)して風通しを良くすることで防ぐことができます。生き物や雑草についても勉強しました。

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