セッション
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茶の湯の心 谷 晃 氏(野村美術館館長)
6. 文化のベースに常に "茶の湯" の心を
冒頭のあいさつで、私は「茶の湯は日本文化の缶詰だ」と申しました。茶の湯を通して日本文化を身につけることができます。 ところで、文化とはなんでしょうか。よく文化と文明との違いはなんだということが議論されたりしますね、私は、文化とは、スピリチュアルなもの、ドメスティックなもの、とても小さな場所に根付いているものだと考えます。一方文明は、テクニカルで、グローバルで、拡大していくもの。 今日、ここにお招きいただいてわかりましたが、但馬コネクションは、まさに、文化の一番いい形での実践ではないかと思います。但馬という小さな場所に根付いて、自分を高めたいという思いのみなさんがこうやって集い、育まれていくものこそが、まさに文化だと思うのです。 但馬コネクションを主催されている中田さんの生活には茶の湯がかなり大きな部分を占めているようです。但馬コネクションにおいて、茶の湯をテーマにしてお話をしたのは、今回の私が初めてとのことですが、これまでもこれからも、但馬コネクションのテーマは多岐にわたるでしょう。毎回茶の湯の話をしなくちゃいけないのではなく、様々なテーマのベースに常に茶の湯の考え方があって、中田さんのイメージされている但馬コネクションの理想、目指すものに近いものになるのではないかと思います。 ただ行政が絡むとうまくいかないことが多い。その意味でも、中田さんのような民間の方がこのような活動を始められたことは、但馬の地にとって本当に幸福なことであって、但馬らしい文化がこの中から育まれていくだろうことを私は予感いたします。 というあたりで、私のとりとめのない話は終わりにしたいと思います。 |