TAJIMA
CONNECTION
パスワードを忘れた方
セッション
和食の成り立ちと特徴  谷 晃 氏
ページ : 12345
4

2. 和食の特徴

  1. 四つ足の獣肉は使わないのが基本です。ただし、昔から牛肉は食べていました。彦根藩が将軍家に近江牛を献上していた記録もあります。限られた地域ですが、ウサギやタヌキも食べられていました。ウサギを1羽2羽と数えるのは、獣ではなく鳥である(だから食べてもよい)と強弁したためとも言われています。鳥は、現在はブロイラーや合鴨ぐらいしかありませんが、昔は野鳥やいろんな鳥を食べていました。
  2. 季節感を大切にします。16世紀にはあまりみられませんでしたが、江戸時代以降、茶懐石の発展と共に重視されるようになりました。茶の湯そのものも季節感を大事にします。
  3. 旨みをメインにし、素材の味を活かしてより引き立てるようにします。
  4. 関東では濃い味付けが好まれますが、本来の和食は旨みを引き立てるため、淡白な味付けにします。
  5. 味だけでなく、香り、見た目、歯ごたえなど、五感を総動員して味わう料理です。
  6. 出汁を重視し、工夫します。味噌汁は煮干し(頭とはらわたは取る)の方が美味しいです。日本料理は出汁が命。板前の修業でも出汁取りに3年かかると言われます。
  7. 揚げ物や炒め物は少ないです。油がなかったわけではありませんが、油を使うと強い味になりがちなので、避けられました。
  8. 盛り付けと器に工夫して美しく見えるようにします。焼き物や漆の器を多用し、料理とのハーモニーを楽しみます。
  9. 銘々の器と引物(大盛りの器)を併用します。
  10. 品数が多く、一品の量は少なめです。フランス料理にも影響を与えています。
  11. スローフードはイタリア発ですが、日本ではとっくの昔から茶の湯の懐石でやっています。地産地消、安全安心な目で確認できる素材を使います。
© TAJIMA CONNECTION