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大人のための凸凹(デコボコ)講座~「困った人」それとも「困っている人」~西村 徹 氏
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小学校の6年間、校長先生だった東井義雄先生の薫陶を受け、人間にとって「考え方」が一番大事であると学びました。一生はたった1回。それをどう生きるか考えながら、35年の教員歴のうち9年間、特別支援教育に携わってきました。今日は特別支援教育から見た考え方をお伝えしたいと思います。

特別支援教育は、一人ひとりのニーズに合わせた教育です。子どもたちを合わせる特殊教育ではなく、子どもたちに合わせる教育。そういった意味では、すべての子どもたちが対象といえますが、中でも合理的配慮、つまり十分な手立てを必要とする子どもたちがいます。

最近増えているのは発達障害と呼ばれる子どもたちです。主な発達障害にはADHD(注意欠如(欠陥)多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症スペクトラムがありますが、6.5%、つまり40人の教室に2~3人いる計算になります。今の子どもの様子を見ていると、全体的に体がシャキッとしない、多動、不器用、バランスが悪い、情緒不安定な子が増えていますが、これらは発達障害の症状と似ています。これは、子どもたちが本来通らなければならない状態を通っていないことも原因ではないかと思います。

発達障害を理解すると、自分自身を見直し、周囲の人を支援することができます。概念を知り、対処方法を知ることで、楽になります。

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