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ミシュラン社とちょっとだけフランスの話  森田 哲史 氏
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ミシュランは1863年創業、本社はフランスのクレモン=フェランにあります。世界で初めてラジアルタイヤをつくりました。全世界に社員は11万人、工場は17ヶ国、67施設。タイヤメーカーとしては、皆様もよくご存知のブリジストンと2強です。

どのようにして今のミシュランができたのか、創業は、エドワード(1809年生まれ)とアンドレ(1853年生まれ)のミシュラン兄弟によります。ミシュラン家は農機具を扱う事業をしていました。そんなミシュラン家にある日、地元の農夫がダンロップの自転車をパンクして困った人を連れてくるのです。その農夫がなぜミシュラン家につれてきたのか、それは分かりませんけれども、でも、この出来事が「ミシュラン」とタイヤとの出会いになったんですね。

その頃、空気入りタイヤはまだほとんど普及していませんでした(空気入りタイヤは、1888年にイギリスの獣医ダンロップが、息子の自転車タイヤに使ったのがはじめてとされている)。ともかく、エドワード・ミシュランは、このパンクした空気入りタイヤを分解して研究して修理してあげた。そしてその修理作業を通して、「もっといいものに改良できるのではないか」と考えはじめるのです。なんといっても、ダンロップの空気入りタイヤはパンクすると修理に6時間かかったのですから。そして、改良・開発の末に、15分でパンクを修理できる空気入りタイヤを世に出したのです。

ミシュランが開発した空気入りタイヤがいかに優れているか、実際に使ってもらって証明したい。けれど、誰も使ってくれません。兄のアンドレ・ミシュランの提案で、ツールド・フランスの前身、パリ・ブレスト(パリ・ブレスト間1200キロを自転車で往復する1891年に始まった世界最古の自転車イベント)で使ってもらおうと選手たちに働きかけました。けれど、そんなよく分からないタイヤは誰も使ってくれない。きっとすぐパンクして修理に6時間かかるんだろうってね。それでもなんとか使ってくれる人が現れて、ミシュランのタイヤが見事1位で優勝しました。2位との差はなんと9時間くらい。

ちなみに、パリ・ブレストっていうお菓子もあるんですよ。豊岡ではお菓子の神様を祭る神社があることから、最近ではお菓子の取り組みもされていますよね。パリ・ブレストは、自転車競技を記念してつくられるようになったお菓子です。自転車の車輪に見立てたドーナツ状のお菓子で、フランスで広く愛されています。

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