セッション
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発掘だけが考古学じゃあないんですよ! 潮崎 誠 氏
4. 考古学の眼で見る縄文土器の美しさ
これは縄文土器です。豊岡市の辻という場所で出土したものです。4000年くらい経っているはずです。個人的にもこの縄文土器をとても気に入っており、あちこちに貸し出したりしています。 さて、ここで皆様に配布している麻の紐を、お出しください。これからしていただく作業ができるかできないかで、器用・不器用が決定的に判明することになります(笑)。よろしいですか? この紐はすでによってあります。このよりを強めながら、さらによってみてください。2倍の太さに、4倍の太さに… みなさん、なかなか大変そうですが、昔のおじいさんたちは縄を編んでましたから、こういうことは大変器用でした。縄文の時代の人々も、同じようによりをかけて編んだんでしょう。そして、1回編んだ縄で土器につけた模様、2回編んだ縄で土器につけた模様、3回、4回…と試してみると、それぞれ模様が違うことが分かった。ただ斜めの線だけが出るものもあれば、線の間に米粒のような模様ができるものもある。縄模様のでき方を「考古学的手法」によって読み解いていくと、縄文人たちの遊び心が今の私たちにも伝わってきますね。 この土器は、豊岡市日高町の神鍋山の遺跡で発掘されたものです。縄文前期の土器で、きわめてマニアックなものです。とても複雑なループ紋様で、これを見た縄文土器の専門家も「すごい!」と舌をまいたくらいです。 → 次のページ「5. 古代の「地場産業」に見るものづくりの精神」
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