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イノベーション(儲ける仕組み)を考える  西岡 郁夫 氏
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豊岡市とのご縁も深く、出石永楽館で毎年行われる片岡愛之助さんの永楽館歌舞伎にも何度も足を運んでおられる西岡郁夫さん。イノベーションとは何か、またイノベーションを生み出せる組織の在り方についてお話いただきました。

永楽館で観る歌舞伎は、役者と観客の距離がとても近いですね。歌舞伎の原点はあんな感じだったのかと思わせます。これは豊岡が誇る文化だと思います。愛之助さんも意気に感じて相当なサービスをされています。

業務の決まり事を超えてちょっとしたサービスやコミュニケーションができる人とできない人がいます。これは、自分の仕事に誇りを持っている人と、ルールだけ守ればそれでよいと思っている人の違いです。ルールだけなら責任者は要りません。ルールを守ってさえいれば、責任を果たしさえすればそれでいいのでしょうか。「いや、違う」と思って勇気をもって、やる。こういった姿勢を日本人は取り戻す必要があると思います。

今日のテーマは「イノベーションを考える」です。イノベーションって何でしょう?「技術革新」というのは間違った訳です。イノベーションとは、新しい仕組みを利用し、その結果「儲ける」ことです。経営に大いに関係があります。

日本人の技術者は、「すごい技術の物を作ったのだから消費者は買うべきである」と思いがちです。これはイノベーションではなく単なる自己満足、思い上がりです。たとえば、インドでは鍵付きの冷蔵庫が大ヒットしました。これは、メイドさんが食材を持ち帰るという問題に対応したもので、「市場」を知っていたからこその発想です。日本では、台所に入ったことのない人がコンピュータの前で設計をしていますが、イノベーションを起こすためには市場や社会に入っていく必要があるのです。イノベーションとは、必ずしも技術革新である必要はなく、いわば「商売の転がし方」といってもいいでしょう。

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