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コウノトリの野生復帰のこれまでとこれから  大迫 義人 氏
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これから
1. コウノトリ野生復帰グランドデザイン
短期目標-「安定した真の野生個体群の確立とマネジメント」
(1) 豊岡盆地個体群と飼育個体群の維持
① 試験放鳥期間に成立した繁殖なわばり(7ペア)の維持
② 遺伝的多様性を向上させる放鳥
③ 飼育個体群の持続的マネジメント
(2) 給餌からの段階的脱出
① 西公開ケージにおける飼育個体に対する給餌法の変更
② 特定ペアに対する給餌の中止あるいは給餌量の実験的操作
③ 生態工学的発想に基づく餌環境の実験的構造改善
(3) なわばりの適正配置
① 種内闘争の緩和をめざしたなわばりの適正配置の検討
② 人工巣塔の試験的・段階的移動
(4) 豊岡盆地個体群から但馬地域個体群への拡大
(5) 県外地域での繁殖個体群の創設に向けた共同研究
(6) 持続的な人材育成
(7) 地域づくりに向けた知識体系の創造
(8) 合意形成の促進
2. 豊岡以外でのコウノトリ繁殖の可能性
徳島県鳴門市、福井県越前市の2例で繁殖行動が確認されている。ペアが若いこともあって繁殖に成功していないが、今後の進展に期待がもてる。
3. ニホンコウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)の設立
コウノトリの生息域外・生息域内の個体群の保全に必要な課題を参加機関・施設等で協議し、解決策の実施および支援することが設置目的。
4. 国外・兵庫県外でのリリース
福井県越前市4羽、千葉県野田市5羽(うち1羽死亡)、韓国でも10数羽が放鳥されている。
5. 野生復帰計画の到達点
(1) 安定したメタ個体群の確立
(2) コウノトリと共生する持続可能な社会の実現
(3) コウノトリが絶滅危惧種でなくなること
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