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遊びの中に学びがある　　前田 敦司 氏

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10年ぶりに帰郷した豊岡でしたが、デザイナーズオフィスの需要はないだろうと思いました。舞鶴の高専時代、友達はだれも「神鍋」を知らなかったので、神鍋をガイドする仕事をしようと思いました。調べるとガイドをしている団体はなく、神鍋観光協会がジオパークガイドを募集していたので、面白そうなのでそこに飛び込んでみました。

中学時代は自転車で行ける範囲しか動いていなかったので、行動半径がとても狭かったのですが、改めて見てみると、神鍋高原は思っていたよりも面白いところでした。学者の先生、地元のおじさんたちに話を聞いて、知らなかったいろいろなことを知りました。山陰海岸ジオパークのテーマである地形、地質、風土、人、…。いろんなものが混ざっている面白さがあります。素敵な面白い人もいっぱい隠れていました。

好きな場所で好きな仲間と好きなことをして元気に暮らす大人の姿を子供たちに見せたいと、かんなべ自然学校を立ち上げました。活動を神鍋に特化しているわけではないのですが、舞鶴にいた頃、「神鍋？どこ？」と言われて全然通じなかった思いがあるので、「かんなべ」という名前が出るように名付けて活動することにしました。

経営者にはカリスマタイプとみんなから助けてもらうタイプがいますが、僕はすみませんと言いながら助けてもらうタイプ。助けてくれる人がいないと何もできません。

震災で価値観ががらっと変わりました。それまでは儲けてなんぼ、仕事をしただけお金が入ることに満足していましたが、今は、８時半ごろから夕方６時まで仕事。天気が良ければ、スノーボードなどして遊んでいます。給料はどーんと落ちましたが、へらへら生きています。